中国のプロポリス
ブラジルと並ぶプロポリスの世界二大生産地とされていた中国。古来より「蜂寶」と呼び、民間でも病気治療の万能薬として知られていました。
長い歴史に培われてきた中国のプロポリスとは、どのようなものでしょうか。
中国のプロポリスの特徴
中国のプロポリスの原料となる樹木は、主としてポプラですが、カバや松、柳などの樹木も起源植物とされています。主な成分はフラボノイドです。
水酸化したものがフラボノールで、一般的にはポリフェノールとして知られています。
フラボノイドは結合する糖の種類により多くのバリエーションがあり、アントシアニンやカテキンもおなじみの成分です。
抗酸化作用の他にも、抗癌作用、抗腫瘍作用、免疫力強化、血管強化、血行促進、抗血栓、抗ウイルス作用、コラーゲンの合成、鎮静作用、精神安定効果など多くの作用があります。
中国のプロポリスは価格的にも安価なため、日本やヨーロッパなど多くの国に輸出され、年々増加傾向にあります。
中国産プロポリスの課題
近年では、日本の企業が中国に進出して、日本の食品の安全基準で生産することが多くなってきました。原料から製造・管理・出荷まですべて行っています。
そのような製品の安全性は高く、安心して購入できます。
しかし、中国自体のプロポリスは信頼性に欠けます。
以前には食品偽装事件や日本への輸出用の加工食品の非衛生的な食材管理がマスコミでも多く取り上げられていました。
プロポリスについても、樹脂を加工した物質を大量に混ぜていた事件があります。
天然プロポリスの含有量95%以上としながら、実際には約1~20%程度しか含まれていませんでした。
プロポリスは高血圧にも効果があると、中国でも健康食品に多く利用されていました。
そのため、年間販売量は約1000トンという膨大なものでした。
しかし、生産量は300トン余り。
多くが不正な混ぜ物をしていたということです。
中国政府は、この不正により失った信用を取り戻し、販売を伸ばそうとしています。
しかし、未だに人々の疑心を払拭することはできていません。
中国のプロポリスの輸出額の伸長も、中国内の外国企業による可能性を否定できません。
本来は優れた機能を持った中国のプロポリスです。
一朝一夕にはできませんが、製造から販売までの管理を強化し、不正なものが出回らないような仕組みを作り、信用回復ができることを期待します。