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プロポリスとワルファリン

プロポリスのフラボノイドには抗血栓作用もありますが、抗血栓薬のワルファリンとの併用は好ましくないと言われます。
どちらも抗血栓作用があるのにどうしてなのでしょうか。

ワルファリンとは

ワルファリンは、抗凝固剤として、ワルファリンカリウムがワーファリンという薬剤名で使われています。
血栓塞栓症の治療や予防、脳塞栓症予防、肺塞栓症予防、抗リン脂質抗体症候群での血栓予防などに使われています。
優れた効能のある薬品ですが、まれに大量出血の可能性もあり、モニタリングを行いながら投与します。
大量出血が発生した場合は、ビタミンKや新鮮凍結血漿などの拮抗薬を投与します。

プロポリスはワルファリンと併用できないのか

以前、報道の内容の誤解により、プロポリスを摂取すると血液が固まってしまうという誤った情報が広がったことがあります。
正しくは、ワルファリンの抗凝結作用の低下を招く可能性があるということです。
しかも、その症例は1例だけです。
平成12年に僧帽弁置換手術を受けた患者が術後の治療としてワルファリンを摂取していました。
経過観察中に血液凝固能がみられ、その数日前からプロポリスを服用していたということです。
プロポリスの服用中止後回復がみられたため、プロポリスが原因とされたものです。
1例しかないため確実にプロポリスが原因とすることはできませんが、治療中に薬以外のものを口にする場合は、医師に相談することが大切です。

プロポリスに含まれるワルファリンの機能に影響を与える成分

プロポリスには抗血栓作用がありますが、抗血栓薬ワルファリンの作用を強める成分もあれば、弱める成分も含まれています。
ビタミンAはワルファリンの抗凝固作用を増大させます。
ビタミンEが多すぎると、出血傾向が高まる可能性があります。
ビタミンKはワルファリンの作用を弱めてしまいます。
良くも悪くも影響を与える成分が含まれていますので、同時に服用した場合、どのように作用するかはわかりません。

プロポリスとワルファリンは、どちらも抗血栓作用を持っていますが、同時に服用すると、それぞれの良さを殺してしまう可能性があります。
優れた効能を持つサプリで薬ではありませんが、「飲み合わせ」といわれるように、口にするものには相性があります。
治療中であれば、必ず医師に相談してから服用しましょう。